被害を訴える男性
家庭用蓄電池の販売を巡るトラブルです。「長野市の業者に代金を払ったのに工事をしてくれない」などと複数の客が警察に相談しています。社長と連絡が取れず、怒りの声が上がっています。
飯綱町の男性:
「とりあえず出てきて話を聞かせてほしい、工事やらないならお金は返せと。詐欺でしかない」
怒りが収まらない長野県飯綱町の40代の男性。
去年1月、長野市の販売業者の社長から営業を受け、自宅の太陽光発電設備に蓄電池をつける契約を結びました。
5年前に同じ業者にソーラーパネルを設置してもらった経緯もあり、男性は「全額前金で」と頼まれると、不信を抱かず90万円を支払いました。
しかし…
飯綱町の男性:
「工事の前日になって『材料足りなくてできません』というところからですかね。3回目の工事の延期の時には連絡がつかず、電話つながるんだけど出ることはなく留守電だった」
何度催促しても工事は行われず、去年5月、ついに音信不通になりました。
飯綱町の男性:
「1回目(ソーラーパネル)の前例があったもんですから、ちょっと信用してしまった」
記者リポート:
「会社はソーラーパネルなどの販売不振で業績が悪化していたということです」
業者の設立は2016年。長野市内の事務所は、すでに引き払われていました。
関係者によりますと、太陽光発電の買い取り価格引き下げで業績が悪化し、去年1月から工事を全くしていなかったと言うことです。
社長は去年から顧客に借金を頼むようになりました。
軽井沢町の男性:
「去年のゴールデンウィーク前に急に電話がかかってきて、『銀行が不渡りになりそうだから250万円ほど貸してくれないか』と」
3年前、業者にソーラーパネルを設置してもらった軽井沢町の男性。頼まれて250万円を振込みました。
軽井沢の男性:
「新型コロナもあったし、大変な時期なので、うちとしてもメンテナンスをしてもらわないと困るし、つぶれたら困るなと」
しかし、その後、社長と連絡が取れなくなりました。
「蓄電池が設置されない」「貸した金が返って来ない」という訴えは少なくとも
十数人、額にして1億円を超えるとみられ、警察に被害届を出した人もいるということです。
飯綱町と軽井沢町の男性は、協力して社長の足取りを調べ、去年6月に長野市内で本人に会いましたが…。
軽井沢の男性:
「携帯とかを見せてみろと言って、そしたらボートとか競馬とかいろんなものに入金しているのがわかって、多い時には200万とか300万を突っ込んでる日があって、正直ふざけんなよって感じ」
金を返す約束は取り付けたものの、再び連絡が取れなくなりました。今も社長の携帯電話はつながりません。
飯綱の男性:
「返せるものであれば返していただきたいというのが一番。それが無理なら社会的制裁を受けて、罪をつぐなってもらうほかない」
警察は「個別の案件で話すことはない」としています。
長野放送[/MARKOVE]