軽トラックの荷台にキャビンを載せた「軽トラモバイルハウス」を完成させた五味さん
長野県茅野市宮川の五味治二さん(64)が、軽トラックの荷台に手作りのキャビンを載せた「軽トラモバイルハウス」を完成させた。これまでも2段ベッドを備えたワンボックスの軽乗用車で旅をしてきたが、より広いスペースを確保したいと軽トラハウスを思い立った。コロナ終息後に、自作キャンピングカーと一緒に「気ままな日本旅」を続けるつもりだ。
五味さんは学生時代から登山やスキーなどアウトドアに親しむ。8年ほど前からは「日曜大工」も本格的に取り組み、まきストーブを完備した木造の小屋を建てるほどの腕前を持つ。軽トラハウスは高さ1.8メートル、幅1.3メートル、奥行き3メートルほどの大きさで、広さは2畳ほど。図面作りから始め、妻の手助けを得ながら約1カ月かけて昨年11月末に完成した。素材のアルミ複合板を友人から安価で仕入れるなど軽トラ代を除いて総額16万円程度で整備した。
室内にはベンチにもなる収納など随所にアイデアを盛り込んだ。18リットル入りのポリタンクに水を入れ、ポンプで揚げて水を出す仕組みを整えた。バッテリーで蓄電してテレビや炊飯器を使う。スライドする上部を活用するなどしてシュラフ(寝袋)で体を休める。厚さ4センチほどの断熱材を巡らせたり、カセットこんろで点火するストーブを置いたりと寒さ対策もばっちりだ。
中学3年時に登山家植村直己さんの著書「青春を山に賭けて」を読んで感動。高校では山岳部に入り、山行を重ねた。学生時代はバックパッカーとして米国や欧州などへ。就職後も日本百名山を踏破するなどしてきた。
勤めていた金融機関を2020年5月末で退職。今後も「人生を楽しむ」ことがモットーという。コロナ終息後、軽トラハウスに文字を入れた「A SELFISH JOURNEY TO JAPAN(気ままな日本旅)」を思い切り楽しむ計画だ。その上で目指すのは学生時代に体験した「海外の放浪を再び」。五味さんの願いだ。
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