イナゴのつくだ煮作りを見学する伊那東小の6年生
長野県の伊那谷が誇る昆虫食の魅力を発信しようと、伊那市伊那東小学校6年菫組の児童26人が、コオロギの粉末を使ったレシピを考案した。12日は同市上新田にある珍味販売の「つかはら」を訪れてイナゴのつくだ煮作りを見学するとともに、これまでの学習のお礼としてレシピ集をプレゼント。多くの人に見てもらうため、今年度末までにインターネットで公開する予定だ。
児童たちは、地域の食文化を調べる中で昆虫食に興味を持ち、今春から総合学習のテーマにして取り組んでいる。同店の協力で4月に高級珍味のザザムシや蜂の子などの総菜を観察、試食し、7月にコオロギの粉末を譲り受けた。自宅に持ち帰って一人ひとりが菓子などのレシピを考えて調理。作り方や味の評価、写真などを加え、協力してレシピ集を完成させた。
レシピは、コオロギの粉末を混ぜたパンやクッキー、ポテトチップス、ギョーザなど多彩。優れた栄養価や香ばしさ、手軽さなどの魅力を伝えながら、「昆虫の見た目で判断する前に食べてみては」などとPRしている。
この日は同店の調理場に集まり、イナゴを鍋で煮詰める様子を見学した。店主の塚原慎也さん(49)から「焦げる寸前まで煮込み、最後に塩を加えるのがこつ」などと説明を受け、子どもたちは熱心にメモを取っていた。
「バナナシェイク」を考案した児童(12)は苦みを抑えるよう砂糖の量を調整したとし、「昆虫食には意外なおいしさがある。知らない人も多いので、広めるきっかけになれば」と力を込めた。
レシピ集を受け取った同店は「どれも素晴らしくて驚いた。市内のパンや菓子店にも届け、レシピを生かした新商品の可能性を探っていきたい」と話していた。
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