雪が降りしきる中、八ケ岳連峰に入山する登山客たち=茅野市玉川の美濃戸口
年末年始を八ケ岳連峰で過ごす登山者の入山がピークを迎えている。長野県茅野市玉川の登山口「美濃戸口」では30日、雪が降りしきる中、全国各地から登山者が訪れ、冬山装備を整えて山へ向かっていた。強い冬型の気圧配置の影響で厳しい冷え込みや吹雪が心配されており、山小屋には宿泊のキャンセルが入ったほか、ルートを変更する登山者も見られた。
赤岳直下の山小屋「赤岳天望荘」(標高2722メートル)などを営む藤森周二さんによると、同山荘付近は最低気温が氷点下23度まで冷え込み、強い風が吹いていた。標高2600メートル付近では50~60センチほど雪が積もったという。
新型コロナの影響で昨季の年末年始は休業したが、今季は宿泊人数を制限した上で個室限定とし、期間も短縮して営業する。予約状況はコロナ禍前と比べて2~3割ほどの減少で、悪天候でキャンセルする客も少なくないという。
この日は朝から諏訪地区山岳遭難防止対策協会(遭対協)と茅野署山岳遭難救助隊も美濃戸口に相談所を設け、装備が甘い登山者や初めてのコースに挑戦する登山者にはルートを変更するようアドバイスした。吹雪で視界が悪ければ、無理をしないようにも声を掛けていた。
諏訪地区遭対協によると、美濃戸口では30日早朝から正午ごろまでに54枚の登山届の提出があり、86人の入山が確認された。一昨年に続いて八ケ岳で年を越すという東京都の会社員男性(47)は登山仲間と2人で入山。「風が強いのでしっかり防寒してきた」とし、「去年と今年はコロナで山小屋も制限が多かった。来年は自由に登れるようになれば」と願った。八ケ岳での年越しは34回目という東京都の女性(84)は「ゆっくり登りたい。山小屋でみんなとゲームをするのが楽しみ」と話していた。
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