新鶴本店の「塩羊羹」
特産の寒天を生かして150年近く「ようかん」を作っている和菓子店が、長野県下諏訪町にあります。伝統の味を守り続ける現場にカメラが入りました。
新鶴本店(長野県下諏訪町)
諏訪大社・下社秋宮から歩いて3分ほどの場所にある「新鶴本店」。創業148年の和菓子店です。
さまざまな和菓子が並ぶ中、「看板商品」となっているのが、変わらぬ製法、変わらぬ味の…「塩羊羹」です。
(小5cm×15cm 950円)
「塩羊羹」
(記者リポート)
「さっぱりとした上品な甘さですね、絶妙な塩加減がそれを引き立たせていて、とてもおいしいです」
客の多くが土産や贈答品として購入しています。
客(諏訪市から):
「息子が新潟にいて、とても好きな地元の味なので(送る)。甘さの中に塩味があってバランスがいい」
客(埼玉から):
「仕事でお世話になった人に持って帰る。さっぱりしていて、ひとつ食べるとまた手、出るみたいな」
参拝客も…
客(長野市から):
「お参りに来ると必ず寄ってたね、お土産はこれしかないなと思って。甘さが塩でまろやかになっていて食べやすい」
現在の主は6代目の河西正憲さん(37)。先代・正一さん(70)のサポートを受けながら店を営んでいます。
新鶴本店 6代目・河西正憲さん
新鶴本店 6代目・河西正憲さん:
「おかげさまで非常に好評いただいてまして、完売してしまう日もかなり多くなっている」
先代・正一さん
先代・正一さん:
「初代がよく考えてくれたなと、先祖に感謝しております」
初代・六郎さん
初代店主は正一さんの高祖父にあたる六郎さんです。下諏訪宿の旅籠「つる屋」の次男として生まれました。
つる屋の跡地
新鶴本店 6代目・河西正憲さん:
「(次男のため)家業は継げないので、自分で何か商売をするにあたって塩ようかんを考えだして、今のうちの店舗のところで始めたと。『つる屋』の息子が新しく始めたので『新鶴』という名前になったと聞いています」
明治6(1873)年に店を開き「塩羊羹」を販売
明治6(1873)年、六郎さんは店を開き「塩羊羹」を売り出しました。
「秋葉街道を通って諏訪に運ばれてくる塩」
秋葉街道を通って諏訪に運ばれてくる塩と、昼夜の寒暖差を利用し、江戸時代末期から諏訪地域で盛んにつくられるようになった寒天に注目したのです。
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