定期公演で「生写朝顔話」を上演する箕輪中学校古田人形部の生徒
長野県選択無形民俗文化財に指定されている箕輪町の古田人形芝居の今年度定期公演(町教育委員会主催)が4日、町文化センターであった。古田人形芝居保存会と箕輪西小学校古田人形クラブ、箕輪中学校古田人形部が地域に伝わる人形芝居を情感豊かに演じ、観衆約220人を魅了した。
同保存会は、江戸時代中期から続く伝統芸能を次代へつなごう-と、箕輪西小や箕輪中で指導。1989年から定期公演を企画するなどし、普及活動に努めている。昨年度は、新型コロナウイルス感染症の影響で中止したため、2年ぶりの開催となった。
箕輪中古田人形部の生徒27人は、すれ違う男女の悲恋を描いた「生写朝顔話~宿屋の段」を上演した。メンバーは、太夫の語りや三味線に合わせて3人一組で人形を操り、盲目の旅芸人となった女が琴を爪弾く場面や、恋人を必死になって追いかける場面などを巧みに表現した。
このほか、箕輪西小古田人形クラブが「傾城阿波の鳴門~順礼歌の段(現代語)」、保存会が「三番叟」と「壺坂霊験記~沢市内の段」を披露した。
保存会の柴登巳夫会長代行は「子どもたちは、コロナ禍の影響で稽古が例年の半分の時間しか確保できない中でも頑張ってくれた。伝統芸能を伝承するには厳しい環境になったが、今後も普及活動に取り組みたい」と話した。
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