長野県栄村に移住した薬剤師・鈴木貴詞さん 妻・麻由香さん 娘・綺夏さん
特集は村唯一の薬局です。長野県の最北端・栄村に2021年11月、薬局がオープン。東京から薬剤師が移住し「医療過疎地で働きたい」と開業しました。住民は歓迎し、頼もしく感じています。
栄村・JR森宮野原駅前の商店街
11月12日、栄村・JR森宮野原駅前の商店街。
薬剤師の鈴木貴詞さん（43）が朝の準備を始めました。
薬剤師・鈴木貴詞さん
薬剤師・鈴木貴詞さん：
「すごいんですよ、（開業祝いで）皆さんがくださって。今、花屋さんみたいになっています。頑張って仕事で返していきたいなと思っています」
鈴綺薬局
「鈴綺薬局」は11月1日にオープンした村唯一の薬局。東京から移住してきた鈴木さんが、空き物件を改装して開きました。壁にはかわいらしい「キャラクター」が…。
壁にはかわいらしい「キャラクター」が…
薬剤師・鈴木貴詞さん：
「娘がデザインしてくれて『くすりくん』というらしいんですけど」
鈴木さん家族（提供 鈴木さん）
鈴木さんは3人家族。「鈴綺」の一字は、一緒に移住した娘の綺夏さんから取りました。同じ薬剤師の妻・麻由香さんは、まだ都内の病院で働いています。
客（祖父）：
「（孫が風邪が）治らなくて、鼻水が出すぎて」
初めて訪れた小学生の男の子と祖父。
客（祖父）：
「画期的ですよね、栄村にまさか薬局ができると思わなかった」
鈴木貴詞さん
薬剤師・鈴木貴詞さん：
「皆さんあっての僕の薬局です」
お隣、新潟県津南町の医院から出された処方箋に従って、男の子には鼻水の薬、祖父に貼り薬などを出しました。
客（祖父）：
「年だからいろんなところ（病院）に行ってます。今度はもう（すべての薬を）鈴木さんにお願いしようかなと」
住民期待の薬局。それにしても、なぜ、鈴木さんは栄村を選んだのでしょうか。
大学病院勤務時代（提供 鈴木さん）
鈴木さんは埼玉県出身。薬学部を卒業後は大学病院などで働いてきました。
薬剤師・鈴木貴詞さん：
「病院って入院している期間だけなんですよね、患者さんに関われるのって。退院された後、微力ですけど『見守る』、そういう機会があった方が僕としてもいいな、というのはありましたね」
国は「かかりつけ薬局」の普及に力を入れていて調剤報酬を改定し、地域医療への貢献を評価するようになりました。
この流れも後押しとなり、鈴木さんは独立を決意。開業の地に「無薬局町村」が全国で2番目に多い長野県を選びました。（北海道27町村、長野14町村、福島12町村）
薬剤師・鈴木貴詞さん：
「医療で恵まれているところでトライするより、困っているであろう人のところに技術を提供できたらなと」
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