「からしいなり」
長野県松本地域で昔から食べられている「からしいなり」です。その名の通り、からしの効いたいなり寿司です。なぜ、松本の味として定着したのか、「深掘り」してみました。
【動画で見る】松本伝統の味「からしいなり」に迫る 油揚げが「裏返し」内側に「からし」
■「からしいなり」は油揚げが裏返し
「いなり寿司」(左)と「からしいなり」(右)
甘く煮た油揚げに、酢飯を詰めた「いなり寿司」。稲荷神社の神の使い「狐」に、好物の油揚げをお供えしてきたことが名前の由来とされ、江戸時代から食べられていたと言われています。
一方、松本でよく食べられている「いなり寿司」は、油揚げが裏返しになっています。
しかも…
(記者リポート)
「あまじょっぱい味の後にピリッとくる辛さがクセになりますね。辛すぎる感じも全くなく、とてもおいしいです」
内側に「からし」が塗られている
内側にはしっかりと「からし」が塗られています。
記者:
「これ何かご存じ?」
松本市民:
「からしいなり」
「からしいなりと違う?からし好きだから、両方あればこっち買います」
長野市民:
「見たことはあります。(どんないなり寿司か知ってる?)ひっくり返して包んだだけってイメージですけど」
■松本地域を中心に定着
スーパーの「からしいなり」
松本地方伝統の味「からしいなり」。市内では普通の「いなり寿司」と区別している人が多く、油揚げが裏返っていれば「からしいなり」と認識されているようです。
「からしいなり」はスーパーでも…。
購入客:
「好きですよ。甘いだけじゃないっていうか」
「孫が好きで、私が出かけたときに帰りにこれを買って帰って、これからお茶を飲もうかと思って(笑)」
「ツルヤ」は県内全店に「からしいなり」を置いていますが、松本地域は、他地域よりも売り上げが多いそうです。
ツルヤ なぎさ店・山岸秀武次長
ツルヤ なぎさ店・山岸秀武次長:
「特に松本市内のお店は需要が高いと思います。平日で30パック前後、販売してますね。週末で40から50パックくらい。6時半くらいには完売していますね」
若増伊平寿司本舗(松本市)
仕出し弁当店の「若増伊平寿司本舗」。およそ60年前の創業時から「からしいなり」を販売しています。しょう油と砂糖で甘辛く煮た油揚げを裏返して…内側にからしを塗り、酢飯を詰めます。
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