「SDGs門松」の制作を進める「もくもく」の利用者や支援員、ボランティアら。地域の竹林整備で出た竹を有効活用する=10日、富士見町信濃境
長野県富士見町の障がい者就労継続支援事業所「もくもく」の利用者が、JR信濃境駅近くの作業所で門松の制作を進めている。利用者14人や支援員らが役割分担し、端材を利用した土台や和紙の飾り物づくりを開始。師走に入ってから町内で竹林整備を行い、その間伐竹や松、梅の枝を飾り付けて仕上げる。地域資源を有効活用し、皆の力を結集して作った「SDGs門松」として販売する。
12月に整備するのは、手入れができず所有者が困っている竹林。利用者も伐採や搬出作業を担う。今年度から、竹林整備と竹の利活用を住民と協働で進める工務店「アトリエデフ」の八ケ岳営業所(原村)とも連携。同社の依頼で竹薪づくりの仕事を行い、資源循環への意識を一層高めている。
プラスチックを一切使用しないエコ門松でもあり、高さは約50センチ。利用者は、色とりどりの和紙を組み合わせて扇をこしらえたり、地元の材木店から調達した端材で土台を作ったり。作業所敷地内には縁起のいいナンテンの木が植わり、最後に赤い実をつけた枝も添える。
富士見町役場や県諏訪養護学校(同町)、業者、個人から既に200個の注文を受ける。年末の受け渡しと発送に向けて繁忙期が続くが、利用者の中澤奈美さん(32)=諏訪市=は「たくさん注文いただいたので、楽しい気持ちで作っています」と笑顔。「山梨県に住むおばあちゃんにも 手作りの門松をプレゼントしたい」と意欲を見せる。
あと数十個の受注が可能という。問い合わせは、もくもく(電話0266・64・2933)へ。
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