背中の造形美に焦点を当てた企画展。国宝土偶「縄文のビーナス」は背中を入り口側に向け展示されている=茅野市尖石縄文考古館
長野県茅野市尖石縄文考古館は、土偶を後ろ向きに展示した企画展「背中から見る土偶」を開いている。同館は「手抜きのない背中の造形美もじっくり見てもらえれば」としている。11月23日まで。
同館によると、土偶は顔を正面に向けて展示するのが一般的。縄文時代の人たちも顔が表現された方が正面だと認識していたと思われるが、土偶は正面だけでなく背中や側面も手を抜くことなく作り込んでいる。
市内出土の縄文時代の国宝土偶「縄文のビーナス」が1998年に初めてパリで展示された際には、おしりの形に愛着が持たれ、背中からの姿が図録に掲載された―というエピソードもあるという。
展示しているのは市内から見つかった大小の土偶約50点。「縄文のビーナス」と、もう一つの国宝「仮面の女神」は背中を入り口側に向け置かれている。
おしりは、縄文時代中期(約5000年前)の縄文のビーナスがハート型を逆さにした格好でふっくらとしている一方、縄文時代後期(約4000年前)の仮面の女神は硬く締まっているようだ。
伏せて展示している他の土偶も後頭部、肩、背中などに特徴がうかがえ、おなかが膨らんでいる半面、板状につるっとした背中の女性を表した土偶もある。
午前9時~午後5時(最終入館は午後4時30分)。原則月曜休館。入館料は大人500円、高校生300円、小中学生200円。問い合わせは同館(電話0266・76・2270)へ。
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