被災した住宅で泥の片付けを手伝うボランティア
長野県茅野市高部で土石流災害が発生してから初の週末を迎えた11日、多くのボランティアが被災した住宅などで泥出しなどの作業をした。市社会福祉協議会が運営する「災害ボランティアセンター」の活動には103人が参加。高部区内の住宅14軒に分かれ、一日も早く住民が普段の生活に戻れるよう片付けを手伝った。学校が休みの中高生も汗を流した。
災害ボランティア集合場所の茅野シティホール(同市安国寺)駐車場には朝から市民が次々と訪れ、午前9時の受け付け開始から30分で受け入れ人数の「おおむね100人」を超えた。新型コロナウイルス感染防止のため人数を制限しており、25人ほど断ったという。
土石流が流れ込んだ下馬沢川近くに娘と住む女性(75)は住宅1階の居間や客間の床下に入った大量の泥の撤去などを依頼。ボランティアは泥をシャベルですくったり、一輪車で運んだりと分担して作業した。
東海大諏訪高校3年の生徒(18)=同市湖東=は、2年前の台風19号の災害で長野市でボランティア経験した父の原正英さん(52)に誘われて災害ボランティアに初参加。泥を一輪車で運ぶなどした。「人は助け合わないといけないと感じた。実際に体験することで自分に何ができるのかを考えた」と話した。住民の女性は「大勢の人が来てくれて泥を出してもらってよかった」と感謝した。
ボランティアには中学生も参加した。永明中1年の生徒(12)=同市米沢=は床下に入り、泥まみれになりながらスコップですくい出した。「泥がめちゃめちゃ重い。災害の恐ろしさを感じた」と話した。
東部中1年の生徒(12)=同市玉川=と参加した母の西澤麻美さん(45)は「これまで過ごしてきた安心安全が当たり前ではないことを感じてほしい」と語った。
同日は諏訪圏青年会議所メンバーや、県社協が呼び掛けた重機を運転するボランティアも参加した。市災害ボランティアセンターの受け入れは12日も行う。対象は中学生以上の市民で受け入れるのはおおむね50人。茅野シティホール駐車場に集合する。受け付けは午前9時から。
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