洗掘により大きく路肩が崩れ落ちている町道下屋敷3号線
長野県の下諏訪町は23日開いた町議会全員協議会で、大雨による町内の被害状況および町の対応について報告した。20日現在、浸水被害は床上浸水1棟、床下浸水が23棟、河川の氾濫や越水などによる水害は42件、土砂被害は17件が確認された。
土砂崩れや陥没、洗堀などの被害により、23日時点で通行止めが続いているのは国道と町道合わせて6路線。このうち国道142号は道路陥没で来迎寺―慈雲寺間が、砥川沿いの町道下屋敷3号線は護岸の決壊や洗堀で下屋敷団地内が通行止め。いずれも復旧のめどは立っていない。
町役場観測点における13~15の3日間の総雨量は359・5ミリで、14日には1日に190ミリを観測。14日午前10時に同町に洪水警報が発令され、町は同日午後8時30分に災害対策本部を設置。15日午前3時10分に土砂災害警報が発表されると、同3時45分に高齢者等避難を発令し、町内3カ所に避難所を開設した。
国道142号大久保沢横断部分の陥没に関しては、14日午後2時すぎに東町下と新町下の一部の33世帯69人に避難指示を発令。20世帯47人が町が用意した宿泊施設に避難した。避難指示は20日午後5時にすべて解除されたが、現在も2世帯3人が自主避難を続けている。
町は避難者の支援物資や食事代、避難施設(旅館)借上料、土砂処理、消毒などに要した費用を盛った2021年度一般会計補正予算案(専決処分)を町議会9月定例会に上程する。
宮坂徹町長は「今後も台風シーズンを迎えることから、今回の被災箇所の応急措置を最優先に進めているとともに、町民には日ごろから防災への備えをしてもらいたい」と述べた。
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