宝剣岳エール用の麦芽を粉砕機に投入する関係者=南信州ビール駒ケ岳醸造所
長野県駒ケ根市や宮田村、酒造会社などが連携して進める地元産大麦を原料にしたビール・ウイスキー造りプロジェクトの一環として、地ビール「宝剣岳Ale(エール)」の仕込み作業が30日、同村の南信州ビール駒ケ岳醸造所で行われた。質の良い麦芽が収穫できたなどの理由で昨年より仕込み量を増量。販売量も増える見込み。6月下旬の販売を予定している。
6次産業化の取り組みとして商品化した地ビールで、醸造は7年目。仕込みには昨年両市村で収穫した二条大麦の麦芽400キロを使用。昨年より100キロ増量した。ビールに香りや苦みを付けるホップは、駒ケ根市産が使用量の9割以上を占めており、かんきつ系の香りが特徴の品種「カスケード」を使う。
この日は麦芽を専用機械で粉砕し、かまの中でお湯と混ぜて糖化させるなどの仕込み作業を実施。約3週間、低温熟成させて完成となる。同社製造担当の丹羽隆さん(41)によると、「優しい口当たりが特徴のビール。優しさや温かさが感じられる伊那谷をイメージしている」といい、目指す味わいを造るには温度管理が重要と話していた。
同社は収穫麦の質の好調に加え、コロナ禍明けの経済回復に伴い売り上げ増を期待し、醸造量を昨年より増やした。330ミリリットル瓶換算で6000本を醸造する。完成品の販売は地元酒販店や同社オンラインショップ、両市村のふるさと納税の返礼品で取り扱う。価格は1瓶税込み660円。
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