青木政憲容疑者(31) 長野中央警察署に移される(5月26日夜)
長野県中野市で男女4人が殺害された事件。逮捕された青木政憲容疑者(31)は「ぼっち」という言葉を使い女性2人に「バカにされたと思った」などと供述しています。「ぼっち」はひとりぼっちという意味です。ただ、女性2人との接点はほとんどないとみられ、専門家は「被害妄想的な思い込みだったのでは」と指摘します。一方、独りでいることを悩む人は多いものの、決して恥ずべきことでないと話しています。
青木政憲容疑者(31)送検(5月27日)
事件の第一通報者:
「表情も変えず、ちゅうちょもせず、動作流れるままつかんだ、刺した。これでいて平然として息も切らしてないし」
強い殺意があったとみられる青木容疑者。女性2人に対し「ぼっちとバカにされたと思った」などと供述しています。
女性2人は毎日一緒に容疑者の自宅近くを散歩していたものの関係はほとんどなく、一方的に恨みを募らせていたとみられます。
新潟青陵大学大学院・碓井真史教授
新潟青陵大学大学院・碓井真史教授:
「彼の心の中では殺意が非常に強く、そして揺るがなかったんだろうと思います。こんな大それたことをしたら大変なことになると(通常)ちゅうちょする。ひたすら被害者を殺害する、その一心だったんだろう」
犯罪心理学が専門の新潟青陵大学大学院・碓井真史教授。容疑者が供述している「ぼっち」と事件への影響を解説してもらいました。
中学校時代の青木容疑者
中学校までは同級生から「普通だった」と言われ、野球部にも所属していた青木容疑者。
須坂市の高校を卒業後、東京の大学に進学しましたが、中退しました。「いじめに遭い人間関係が苦手になった」と話しているということです。
その後、地元で農業をしていましたが、「あいさつもしなかった」などと話す人も多く、孤立感を深めていったとみられます。
青木政憲容疑者(31) 長野中央警察署に移される(5月26日夜)
犯罪心理学が専門・碓井真史教授:
「(成長するにつれ)実際に社会との関わりは薄くなっていたんだと思う。その状態を本人が納得していれば良かったけど、本人もそういう自分のことを否定していたのだろう。自分自身が否定していますから、社会全体も自分を否定しているだろうと思い込み、それがたまたま家の前を笑いながら歩いているその人たち、その人こそが(自分を)バカにして笑っているのだろうと思い込んで激しい敵意を向けたのか。自分の思いに全く疑いを持っていない被害妄想的な強い思い込みか」
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