2022年度調査で水質の改善がみられた諏訪湖。透明度は初めて目標を達成した=諏訪市湖岸通り4(18日撮影)
長野県の諏訪湖の2022年度水質調査で、水の汚れを示す代表的指標の4項目全ての値が21年度に比べて改善したことが19日、県諏訪地域振興局環境課のまとめ(速報値)で分かった。富栄養化の原因となる全窒素と全リンは、諏訪湖の第8期水質保全計画で定める目標を達成し、設定値がより厳しい環境基準も満たした。透明度の年平均値は1・3メートルとなり、項目に加えてから初めて目標を達成した。
調査は湖中心部(湖心)と諏訪市の初島西、岡谷市の塚間川沖の定点3カ所で毎月1回実施した。透明度以外の3項目は値が低いほどよく、COD(化学的酸素要求量)の75%水質値は湖水1リットル当たり4・9ミリグラム、全窒素は同0・57ミリグラム、全リンは同0・038ミリグラムとなり、いずれも前年より改善した。
透明度は、住民らが分かりやすい指標として第7期計画から追加し、2017年度調査から達成状況を公表している。目標値は第7期、現行の第8期計画ともに「1・3メートル以上」に設定。これまでは17年度と21年度の1・2メートルが最高だった。
21年度は水質が良くなる1月の採水調査が全面結氷で欠測となり、平均値を押し上げる一因となったが、22年度は実施できた。前年度悪化した塚間川沖の数値も改善したという。
同課は「その年の気象などで数値は変動するが、諏訪湖の水質は中長期的には改善傾向にある」と説明。湖底からの窒素やリンの溶出抑制につなげる覆砂、生育段階でこれらを吸収する水草ヒシの刈り取りなど、湖の総合計画・諏訪湖創生ビジョンに基づく官民協働の取り組みが、「効果を上げてきているのではないか」とみている。
第8期計画では、CODと全窒素の目標値を第7期計画より厳しく設定した。
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