原田泰治さんとの思い出を語るさだまさしさん(右)と鎌田實さん
昨年3月に81歳で亡くなった長野県諏訪市の画家、原田泰治さんを偲ぶ会(実行委員会主催)が14日、市文化センターで開かれた。生前親交の深かった歌手のさだまさしさん、諏訪中央病院名誉院長の鎌田實さんらが、心温まる思い出話やミニライブなどを披露。長野日報読者の招待者を含む約700人が来場し、ふるさとの風景画を残した素朴画家に別れを告げた。
トークセッションでは、実行委員長の鎌田さん、同市の原田泰治美術館名誉館長でもあるさださんが登壇した。ギターを抱えたさださんは、「風に立つライオン」など4曲を披露。原田さんの作品「ジャカランダの丘」のモチーフとなった牧場への訪問や一緒に居酒屋を回ったエピソードを交え、会場の笑いや涙を誘った。
さださんは訃報を知り、仕事を取りやめて駆け付けた当時を振り返り、「お兄ちゃんのような存在だったので、がっかりした。諏訪に戻って来れば、たいちゃんがいると思っていたのに残念だ」と寂しさをにじませた。鎌田さんは作品に触れ、「これから世界から注目される。世界中のふるさとの絵でもある」と語った。
ステージでは、原田さんと交流のあった5人がリレートークを展開。絵画コンクールでの子どもとの交流、功績、温かな人柄について紹介した。阿部守一知事は「作品に懐かしさや温かさだけでなく、未来の希望が感じられる。原田さんのことを心に焼き付け、残された思い、価値を大切に引き継いでいきたい」と話した。
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