原田泰治さんの40代の頃の写真と筆文字が展示されているロビーで大型紙芝居を楽しむ来館者
長野県諏訪市原田泰治美術館は4月30日、昨年3月に81歳で亡くなった画家、原田泰治さんの絵本を基にした大型紙芝居の上演を行った。開催中の追悼展の一環で大型連休に合わせて企画し、県内外の家族連れやファンが素朴な古里の風景や人々の豊かな表情を描いた物語を楽しんだ。3~5日も1日2回上演する。
「やまのおみやげ」「とうちゃんのトンネル」「さだおばさん」の3作品から、どれか一つを上演する。30日午前は来館者に小学生ほどの子が多かったことから「とうちゃんのトンネル」を選んだ。
同作品は、原田さんが少年時代を過ごした伊賀良村(現飯田市)が舞台。父親がトンネルを掘って水を引き、田んぼを作った実話をモチーフにしている。学芸員の岩波亜希子さんは上演後、「(原田さんは)お父さんの言葉を大きな支えとし、伊賀良での暮らしから鳥の目、虫の目をいただいた」と伝えた。
鑑賞した神奈川県小田原市の3人家族は「お亡くなりになられたのは残念ですが、原田さんの作品は心の中にずっと残り続ける」と話した。3~5日の上演時間はいずれも午前11時と午後2時。問い合わせは同館(電話0266・54・1881)へ。
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