標高2612メートルの雪の中から日本酒の瓶を取り出す関係者=ホテル千畳敷の建物横
「中央アルプス駒ケ岳ロープウェイ」を運行する中央アルプス観光(長野県駒ケ根市)は25日、中ア千畳敷(標高2612メートル)で雪中貯蔵を続けていた日本酒を雪の中から掘り出し、販売を始めた。商品は純米大吟醸酒「滲―Shin―」。ロープウエー山頂側の「千畳敷」と麓の「しらび平」の2駅売店だけで取り扱い、中アを訪れた人だけが味わえる一品だ。
同社が開業50周年を迎えた7年前から、清酒「信濃錦」蔵元の宮島酒店(伊那市)と連携して始めた恒例の企画。今回は昨年末に仕込み、瓶詰めした500ミリリットル入りの500本を1月末からホテル千畳敷横の野外で貯蔵していた。掘り出し作業は関係者7人で実施。スコップで雪をかき分けると、深さ約2メートルの場所で”越冬”した酒瓶が約3カ月ぶりに顔を出した。
宮島酒店の宮島敏社長(61)は「厳冬期でも零下10度ほどの雪中に貯蔵すると、酒はゆっくりと熟成し、香りを失うことなく、まろやかな味になる」と説明。試飲した中ア観光の清水萌佳さん(24)は「香りが強く、滑らかな口当たり」と味を表現し、「ぜひ多くの方に飲んでいただきたいですね」とPRした。
価格(税込み)は1瓶3000円。問い合わせは中ア観光(電話0265・83・3107)へ。
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