公演に向け、熱の入った稽古に励んでいる役者たち
長野県伊那市長谷の中尾歌舞伎保存会などは、長谷の中尾地区に伝わる市無形民俗文化財「中尾歌舞伎」の春季定期公演を29日に行う。4年ぶりに100人限定で一般客を受け入れる。初めての取り組みとして、スクリーンを設置して生中継で公演を楽しんでもらえる特設会場を市内2カ所に設ける。
新型コロナ感染症の影響で2020年は公演を中止。21、22年は観客を賛助会員のみとし、一般向けにはケーブルテレビの生中継やインターネットのライブ配信を行った。
大画面で中尾歌舞伎の魅力を多くの人に知ってもらいたいと、スクリーンでの生中継を企画。同市長谷の道の駅「南アルプスむら長谷」と同市中央の伊那公民館で行う。興味を持ってもらい、中尾歌舞伎の活動へ関わってもらうことにもつながればと期待する。
今回は「人情噺 文七元結」を上演。酒とばくちにおぼれた左官・長兵衛の娘のお久が吉原に奉公に出ようとする。長兵衛はお久を身代にした借金を身投げしようとしていた見知らぬ男に渡してしまう。だが最後は金が戻り、全員が幸せになって大団円を迎える人情話だ。小学生から60代までの11人が出演する。
公演に向け、熱の入った稽古を続けている会員たち。中村徳彦代表(63)は「笑いあり涙ありの人情もの。親しみやすい内容なので気楽に楽しんでもらえたら」と話した。
午後1時30分開幕。会場での観覧は定員に達したため締め切った。動画共有サイト「ユーチューブ」での配信と伊那ケーブルテレビジョンでの生中継も予定している。問い合わせは長谷公民館内の信州伊那中尾歌舞伎後援会事務局(電話0265・98・2009)へ。
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