にぎわう年末年始のスキー場。シーズン前半は好調だったが、気温上昇で後半は伸び悩んだ=1月3日、富士見パノラマリゾート
長野県諏訪地方のスキー場の今季利用者数は、3季ぶりに新型コロナ対策の行動制限がないシーズンだったことや団体利用の回復で昨季を上回ったものの、3月以降の気温上昇や天候不順などが響いて、目標には届かなかったことが各施設への取材で分かった。高温でゲレンデが悪化し、予定より早く閉場した施設も。「極端に早い春の到来により、レジャーも春に移行してしまった」と嘆く声が聞かれる。
富士見町の富士見パノラマリゾートは今月2日まで109日間営業し、来場客は延べ13万3022人だった。昨季比4%の増。コロナ前のシーズン比で95%の水準まで回復したものの、目標とした15万人には到達しなかった。
一昨季は首都圏1都3県に緊急事態宣言が発令され、昨季は長野県でもまん延防止等重点措置が適用された。同リゾートによると、今季は学校スキー教室の延期や休止はなく、ほぼ予定通りに開催。1~2月のシーズン前半の客足は好調だったという。一方で3月の来場者数は昨年同期比15%の減に。「集客が見込める春休み期間を含め、雨の日が多かったことも響いた」といい、平年の2~3割にとどまった日もあったという。
茅野市の車山高原SKYPARKスキー場も今月2日まで営業した。集客は2月が好調だった一方、例年ピークとなる12、1月が伸び悩んだという。「コロナが明けてきていたので、客入りが増えることを期待していたが、想定より少なかった。雪づくりが遅れ、PRが十分にできなかったことが影響したと思う」と推測する。
諏訪市の霧ケ峰スキー場は3月21日までの営業を予定していたが、高温でゲレンデ状態が悪化し、同12日をもって今季の営業を終えた。リフトの延べ利用者数は前年度110%だったが、2019年度比では約90%にとどまった。
他のスキー場と同様、後半の暖かさに加え、燃料・電気代の高騰にも悩まされたシーズン。市観光課は「外出を控えていたスキー客や、学校単位でのスキー教室が戻りつつある。期待していただけに後半の高温は残念だ。来シーズンはコロナ前以上の活況を期待したい」としている。
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