「ゆかりんは四つ葉のクローバー」より
長野県安曇野市の男性が、脳性まひの娘との日常を一冊の本にしました。葛藤を乗り越え、娘の成長を見守ってきた父親による4コマ漫画とエッセー。学びや気づきが詰まっています。
【動画で見る】脳性まひの娘との日々を父が4コマ漫画に
■4コマ漫画 主人公は「ゆかりん」
ゆかりんは四つ葉のクローバー(2023年2月発売)
2023年2月、発売された「ゆかりんは四つ葉のクローバー」。
主人公のゆかりんは、脳性まひのため体が思うように動かせません。
4コマ漫画「発達って何だろう」より
(4コマ漫画「発達って何だろう」より)
ゆかりん6歳の誕生日。
母:
「ローソクの火を消してね」
しかし、「吹く」ということが難しい。でもがんばるゆかりん
ただ つばが飛ぶだけ……
4コマ漫画「発達って何だろう」より
それでもがんばるゆかりん。なんとかなるもんだ。
ゆかりん:
「フンッ!」
鼻息で見事に消した!
著者の原孝雄さん(左)と「ゆかりん」こと次女・由香里さん(右)
著者は安曇野市の原孝雄さん(65)。元教師で、現在はNPOの副理事長です。
「ゆかりん」こと次女・由香里さんは現在36歳。自力では歩けず、意思は身振り手振りで伝えます。
父・孝雄さん(65):
「よっしゃ、もうじきだ」
母・千賀子さん(65)と一緒に由香里さんを支える暮らし。孝雄さんはそれを漫画で描き一冊の本にしました。
父・孝雄さん:
「いつも彼女から元気をもらっているから、もうひと踏んばりしないといけないなと」
■「自分の子なんだ」
千賀子さん(左上)と孝雄さん(右上)と由香里さん
1986年6月に生まれた由香里さん。生まれて間もなく脳性まひと診断されました。
父・孝雄さん:
「(脳性まひとわかったときは)何も…(頭の中が)真っ白でしたね。どういうふうに育っていくんだろう、そういう不安がすごくあって」
母・千賀子さん(65):
「そこで泣いている由香里がいても抱けない。メンタルがまずいことになっているって感じでしたけど」
なぜ、うちの子が…。
2人は現実を受け入れられずにいました。
祖父の故・正邦さん(左)と由香里さん
それを変えたのは、由香里さんをかわいがった祖父の故・正邦さんです。
母・千賀子さん:
「もう孫ぞっこんで。自分の体におぶって、どこにでも。銀行、花屋さん、近所の店でも、どこでも連れていってくださる姿を見て、私は一体、何やっているんだと、少しずつ気持ちが動いていって」
「障害があっても大勢の人と関わらせたい」と、孝雄さんは行政に掛け合い由香里さんを通常の幼稚園に入園させました。
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