試作品のプレート看板を小田切康彦宮田村長に手渡す駒ケ根工業高校機械科の生徒たち
長野県駒ケ根市の駒ケ根工業高校機械科3年生4人は24日、宮田村役場を訪ね、劣化しにくい金属素材で制作した山岳用案内看板の試作品1枚を村に寄贈した。生徒は選択授業「産業財産権の基礎」チームのメンバーで「山岳誘導標識の劣化が早い」とする課題に取り組んでいた。村は試作品を中央アルプスに設置。状況観察の上で耐久性を検証し、活用について検討していく。
同校の林厚志教諭と中央アルプス遭難対策協議会救助隊の北原大司隊長が懇談した際に出た「既存の道標の劣化が早い」という問題点を今年度の選択授業の課題として取り組みを開始。生徒たちは「山を愛するすべての人へ」をコンセプトに「目にして安心感が得られる道標」づくりに着手。標識のコントラストを明確にし、文字が劣化する問題を解消するため「パズルのように文字をはめ込み看板にする」方法に到達した。
アルマイト加工専門の宮田アルマイト工業(宮田村、清水光吉社長)に協力を求め、金属の中で最も劣化しにくいアルミニウムにカラーアルマイト処理したA4サイズの看板に仕上げた。
看板はアルプスを表す山並みと青い空、緑の草原、麓の桜と「中央アルプス山岳救助隊」の文字が青やピンク、黄色、オレンジ、緑、赤など鮮やかな色彩で描かれている。
贈呈式には、生徒や林教諭、北原隊長、清水社長ら関係者10人が出席。林教諭の報告に続き、生徒たちが小田切村長に看板を手渡した。
小田切村長は「山では看板が登山者の命を守る。この新たな看板が今後、普及発展していけば」と期待。選択チームのリーダー梅垣真翔さんは、多くの協力に感謝し「今回はまだ試作品だが、良いとなればこれが普及し一人でも助かる人が出てくれば」と願った。
試作看板は、中ア乗越浄土にある駒ケ岳管理センターに設置。耐風雨(雪)と耐光(太陽光)を中心に1~2年程度状況観察していく。
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