開館40周年を記念した北澤美術館の特別展
長野県諏訪市湖岸通りの北澤美術館は18日、開館40周年を記念した特別展「エミール・ガレ、自然への眼差し」を始めた。同館が所蔵するフランスのガラス工芸家エミール・ガレ(1846~1904年)の初期から晩年にかけての花瓶、ランプなど約100点を展示。草花や昆虫をモチーフとし、生命の躍動に迫る名品を紹介する。来年3月12日まで。
北澤美術館は、キッツ(旧北沢バルブ)創業者の故北澤利男氏が1983年に設立。主に19世紀末のアール・ヌーボー期のガラス工芸1000点と、現代日本画200点を所蔵する。これまでに820万人を超える来館者を迎えた。
会場には、野草をテーマにした初期の作品「春草に蝶文花瓶」、1894年のロレーヌ装飾美術展を飾った「ライラック文台付花瓶」、1900年パリ万博に出品した花瓶「アザミ」などの大作がそろう。
キノコが描かれた「ひとよ茸文花瓶」は、森の空気感まで伝える作品。ガラスの層を重ねながら表面に彫刻を施す技法を駆使し、独自の自然観を表現した。植物学者でもあったガレの情熱が注がれている。
この日は、記念式典と内覧会が開かれ、諏訪地方を中心に約50人が訪れた。関係者がテープカットをして節目を祝福。堀田康之理事長(67)は地域の支えに感謝し、「世界有数の作品を所蔵する。引き続き文化振興に役立て、今後100年の継続を願う」と述べた。
関連イベントとして、5月27日に同館主席学芸員の池田まゆみさんの記念講演会「エミール・ガレ、科学の眼と詩人の心」、9月16日にきのこ愛好家とよ田キノ子さんのトークショー「きのこを通して見るガレ」を開く。
開館時間は午前9時~午後5時(4~9月は同6時まで)。9月30日休館。入館料は大人1000円、中学生500円、小学生以下無料(諏訪地方6市町村在住者は5月13日~21日無料)。問い合わせは同館(電話0266・58・6000)へ。
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