松本市立病院がオンラインで会見(3月9日)
松本市立病院は9日、医療事故が発生したと発表しました。「遺体を取り違えて病理解剖」が行われたということです。
病院によりますと、入院中に死亡した患者の死因究明のため、病理解剖を行う際、救急外来にその日の早朝に心肺停止状態で搬送され、その後、死亡した患者の遺体と取り違えて病理解剖をしたということです。
救急外来で亡くなった患者の遺体が病理解剖室前室に安置されていたことから、解剖予定の遺体と思い込み、解剖を始めてしまったとしています。
解剖がはじまってから約10分後、主治医が生前の既往歴や画像所見と異なることに気付き、遺体を取り違えたことが判明したということです。
松本市立病院
事故の原因として、病理解剖室に入る際に主治医による患者確認が行われなかったことや、安置されている遺体の名前などを確認できるものがなかった、担当職員が病理解剖室前室に遺体が安置されていたことから、解剖予定の遺体と思い込んでしまったなどが挙げられるとしています。
病院は「ご遺体を傷つけ、また、ご遺族様に大変なご心労をおかけしたことを心よりお詫び申しあげます」と謝罪しました。
なお、取り違えて解剖してしまった遺族とはすでに和解したということです。
病院は今回の事故は思い込みのために患者確認を怠ったこと、職員間の伝達共有は十分でなかったこと、遺体安置場所が適切に設けられていなかったとして、病理解剖マニュアルの見直しや外来で亡くなった患者の安置場所を変更するなど、再発防止策の徹底に努めていきたいとしています。
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