下諏訪町高木沖で始まった水草刈り取り船によるヒシの除去作業
長野県諏訪建設事務所は5日、諏訪湖に繁茂する浮葉植物ヒシを水草刈り取り船で除去する作業を下諏訪町高木沖で始めた。9月末ごろまでに、湖面全域のヒシの約1割に当たる510トン以上を刈り取る計画だ。
ヒシは成長の過程で水中や底泥中のリンなどの栄養塩類を吸収するため、十分に育った時点で刈り取ると水質浄化につながる。一方で、日光遮断による沈水植物の生育抑制や景観悪化などの影響もあり、枯死後に沈むと湖底が腐泥化する。刈り取り船による作業は2013年に始まり、毎年7~9月ごろに行っている。県水産試験場諏訪支場(下諏訪町)の調査では、昨年の繁茂面積は湖面の約13%に当たる167ヘクタールだった。
今年は10日から東京五輪に向けて下諏訪町がアルゼンチンとイタリアのボートとカヌー競技の合宿を順次受け入れるため、まずは同町高木沖の練習コースの刈り取りから始める。初日の作業は雨が降りしきる中で行った。刈り取り船の近くに小舟が待機し、刈り取ったヒシを受け取って岡谷市長地権現町の県有地に運んだ。一定期間天日乾燥させた後、地元の事業者に 引き渡してすべて堆肥化する。除去作業は諏訪市の新川河口沖や岡谷市の釜口水門付近など繁茂する箇所で順次行う。
刈り取り船が入り込めない浅瀬や河川の河口付近では小型刈り取り船を導入する。昨年は河川にほとんど繁茂せず、7月の日照不足や長雨の影響を受けたとみられる。
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