信州高遠美術館で始まった個展「片岡鶴太郎展」
俳優や画家として活躍し、長野県伊那市芸術文化大使を務める片岡鶴太郎さん(68)の個展「片岡鶴太郎展 心の音色-その世界」が4日、同市高遠町の信州高遠美術館で始まった。画業30年の片岡さんが手掛けた、えりすぐりの作品96点を展示。富士山や金魚、ツバキなどが色彩豊かに描かれ、来場者を魅了している。
同館での個展は3回目。これまでの作品の中で、とくに思い入れの強い作品を選んだという。1匹に1時間かけて描いたという金魚が優雅に泳ぎ回る日本画「金魚」、威風堂々とした富士山の周りをコイが回遊する絵画「鯉不二」などが並び、片岡さんの多才さがうかがえる。
片岡さんと親交のある花人で市芸術文化大使の唐木さちさん(75)=同市上牧=が花入れをし、会場を華やかに彩った。片岡さんとのコラボ作品もあり、黒色の漆板に赤色が目を引くツバキを油彩で描いた片岡さんの「漆板 零れ椿」に本物のツバキを添え、作品から花がこぼれ落ちる様子を表現している。
初日はオープニングセレモニーが開かれ、関係者らは開幕を祝った。片岡さんはマネジャーを通じて「私も毎年、伊那に訪れ、豊かな自然の中で育まれた人々の暮らし、心に染み入る風景に心打たれている。絵と一緒に私の心もここにあり続けたい」とコメントを寄せた。
同館学芸員の小松由以さん(33)は「片岡さんの作品は心情を色で表現するのが特徴。年を重ねるごとに豊かになる心の色彩を楽しんで」と来場を呼び掛けている。
5月14日まで。3月25日の片岡さんによる講演会は定員に達し、受け付けを締め切った。入館料は一般800円、高校生以下および18歳未満は無料。問い合わせは同館(電話0265・94・3666)へ。
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