法廷内の小谷徹被告
注目の裁判です。長野市の自動車販売店の元社長が、新車を販売する名目で複数の客から現金をだまし取ったとして詐欺の罪に問われている裁判が始まりました。元社長は「間違いございません」と起訴内容を認めました。
(記者リポート)
「被害額は1億円を超えるとみられる今回の詐欺事件、顧客の前から突然、姿を消した元経営者は法廷で何を語るのでしょうか」
詐欺の罪に問われている長野市の自動車販売店「デュナミス・レーシング」の元社長・小谷徹被告(63)。
法廷内の小谷徹被告
27日の初公判で…
小谷徹被告:
「間違いございません」
起訴内容を認めました。
警察の家宅捜索(2022年2月)
この事件は小谷被告が2021年、自動車の販売名目で小諸市の男性から現金320万円、須坂市の男性から現金400万円、上田市の女性から現金200万円をそれぞれだまし取ったとして、起訴されているものです。
法廷内の小谷徹被告
27日、長野地裁で開かれた初公判。被告は2020年に脳梗塞で倒れたこともあり、車いすで入廷。傍聴席に一礼しました。
そして、裁判官に起訴内容が合っているか問われると「間違いございません」とはっきりとした口調で答えました。
長野地方裁判所(2023年2月27日)
その後の検察の冒頭陳述。ずさんな経営実態を明らかにしました。大手自動車メーカーに勤めていた被告は1995年ごろに会社を設立。検察は2007年ごろには赤字経営になり、新型コロナなどでさらに経営悪化が進んだと指摘しました。
そして、闇金から金を借りて被害者から受け取った金はその返済などに充てていたと述べました。2021年10月上旬を最後に車の発注もしていなかったということです。
手口は…。
検察によりますと、通常500万円以上するアルファードの新車を400万円で買えるとうそをつき前金で払わせていたということです。
(検察の冒頭陳述より)
「ディーラーとの間では1週間に1台を注文する条件で現金で安く卸してもらえるという契約を結んでいる。現金で取引するから安くなる」
この事件ではこのほかにも被害が相次ぎ警察には相談が寄せられています。検察はこのうち数件については追起訴する方針だということです。
次回の公判は4月27日の予定です。[/MARKOVE]