おもちゃドクターとしての心構えなどをベテランドクターから教わる受講者たち
壊れたおもちゃを修理するボランティア「おもちゃドクター」を養成する長野県内初の講座が25、26の両日、伊那市の伊那西小学校で開かれている。上伊那地方でボランティアグループを立ち上げ、おもちゃの修理を通じて世代を超えた交流の場が生まれれば―と、NPO法人「伊那まちBASE(ベース)」(同市)が企画。受講する中高年層らは修理の知識や技術を身に付けて子どもらに喜んでもらおうと、ベテランドクターの講話に熱心に聴き入っている。
同法人が運営する交流拠点施設「伊那まちBASE」では、昨年6月から2カ月に1回のペースで無償で修理するおもちゃ病院を開設。岡谷市のおもちゃドクターたちに”治療”してもらっている。
修理のニーズの多さを実感していたのが、同施設運営委員で2児の母親の野本瑠美さん(42)。地元ドクターが増えることで修理機会も増加し、多世代交流の場が生まれることに期待。全国のおもちゃドクターが所属するボランティアグループ「日本おもちゃ病院協会」に持ち掛けて、養成講座を企画。当初定員の12人を大幅に上回る、18~79歳の36人が受講した。
同協会でドクター普及を担う下野暁さんが講話。自身の活動やドクターとしての心構え、修理時の注意点などを紹介した。40年近く活動する下野さんの原動力は、無事に修理できたことを伝えた時の子どもたちの輝くような笑顔。寄せられる感謝の言葉に「感激する」と魅力を伝えた。
今回の講座は初級編。応用講座を受講し実践経験を積むことで、おもちゃドクターになれるという。受講した南箕輪村在住の70代男性は、農機具や電動工具の修理はお手のものという。「おもちゃを簡単に捨てるのはもったいないし、作業は認知症予防にもつながる。おもちゃドクターは興味深い」と意欲的。野本さんは、講座最終日に受講者有志でのグループの立ち上げを呼び掛ける心づもりだ。
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