長野放送
きょう2月22日は「ニャンニャンニャン」で「猫の日」です。ペットブームの一方で、増える「多頭飼育の問題」について考えます。解決には、飼い主への支援が欠かせないと、ペットや福祉の関係者が連携を模索しています。
ペットが増えすぎて飼育が困難になる「多頭飼育崩壊」。特に、繁殖力の高いネコに多く見られる問題です。
一匹でも犬・ネコを救う会・松井ルミ副代表:
「50匹くらいいるんじゃないかという飼い主の予想を上回る80匹でした」
長野県社会福祉協議会が小諸市で開いた研修会にはオンラインも合わせおよそ80人が参加しました。
目的は「動物愛護」と「福祉」の連携。先進的に取り組んでいるのが東御市です。
長野県社会福祉協議会・佐藤尚治主任:
「(きっかけは)東御市の生活困窮担当者が『集まって考えることできませんか』と。(連携した対策で)解決には至らなくても“解消”の状況まで踏み込めた」
県内のネコに関する苦情は増え続け、2020年の時点で2500件。敷地への侵入やふん尿・悪臭への苦情が目立っています。
背景には、飼い主が高齢化や生活苦などの問題を抱え、誰にも相談できない現状があります。
しんけん動物病院・松木信賢獣医師:
「(飼い主は)ほとんどの方は普通の人たち。ただし、一つだけ言えるのは社会で何かしら“孤立”を抱えている」
東御市社会福祉協議会・佐藤もも子相談支援員:
「(保護ボランティアが)飼い主の家の片づけ、掃除までしたと聞いたときで、なぜ福祉側で解決できなかったんだろう」
上田市の保護団体は、一度に120匹のネコを保護したケースを報告し、こうした事態になる前に行政などが飼い主に手を差し伸べてほしいと訴えました。
個人の責任と言い切れない多頭飼育の背景を理解し、寄り添う対策が求められています。
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