しめ縄のたき上げを名残惜しそうに見つめる八剱神社の氏子総代ら
諏訪湖面に張った氷がせり上がる御神渡り(御渡り)の判定と神事をつかさどる八剱神社(長野県諏訪市小和田)は18日、今季の結果を神前に奉告する神事「注進奉告祭」を同神社で行った。氏子総代ら約20人が参加。5季連続で御神渡りが出現しない「明けの海」になったことを奉告し、来季の出現を静かに祈った。
今季は気温の変化が大きかったが、計4回の全面結氷が見られた。しかし、風や日中の気温上昇などが影響して解氷し、1989年以降26回目の明けの海となった。
神事で宮坂清宮司(72)は今季の観察状況を振り返りながら、「寒気続かず明けの海となりて御渡りございなくそうろうなり」と読み上げた。続いて、御神渡りが出現した際に行う「拝観式」で使う予定だったしめ縄約80本をたき上げた。宮坂宮司と氏子総代らは名残惜しそうに火を見つめ、来季の出現を願った。
宮坂宮司は「平成以降9回しか御神渡りが出現していない。人と自然の関わり方について、氷が警鐘を鳴らしているのではないかと思う。残念な結果にはなったが、記録を後世に伝えたい」と話した。大久保一大総代(72)は「5季続けて神様が会えてないことになる。寂しい思いをしているはずなので、来季こそ会えることを祈っている」と期待を寄せた。
奉告祭の後、結果を記した注進状を諏訪大社に奉奠した。大社を通じて宮内庁に言上、気象庁に報告される。
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