色付けした餅を花の形に組む伊藤社長
長野県諏訪市諏訪2の中央食品工業(伊藤泰輝社長)で2日、雲平菓子作りが始まった。この時期の寒さを利用しながらもち米と砂糖を練って作る創作和菓子で、「春を呼ぶお菓子」として茶席や桃の節句でも人気。創業70年来受け継ぐ伝統技の腕を振るっている。
色付けした餅を花びらや葉の形に組んで1本の円筒形にまとめ、細長く延ばして3ミリほどの薄切りにする。断面に桜やコスモスなど花の模様が表れて華やかだ。スライスした餅は熱をかけて水分を飛ばした後、さらに一晩天日で乾燥させて完成。もち米粉は煎って砕いたものを使って香ばしさを出しているという。
もちが熱いうちでなければ延びやまとまりが悪く、気温が高すぎるとうまく乾燥しないことなどから、製造はこの時期限りの季節商品。今年は観光客の戻りを見込んで昨年より少し多めに作る計画だ。
「これを作り始めるともうすぐ春が来る、という気持ちになる」と伊藤社長。「今年の発売はまだ?」と相次ぐ問い合わせにあおられながら作業に励んでいる。
1袋170グラム入りで販売価格は税抜き550円。今週末ごろから菓子店やサービスエリア、道の駅などに並ぶ予定という。
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