ワーキンググループ会議で創生ビジョンの改定案が示された諏訪湖
諏訪湖のあるべき姿を実現するための指針「諏訪湖創生ビジョン」の5年ごとの改定(施策の見直し)に向けた第4回ワーキンググループ(WG)会議は25日、長野県諏訪市内で開き、同ビジョン推進会議事務局の県諏訪地域振興局が改定案を提示した。水深が浅くなり船舶運航などに支障が出ていることなどを受け、湖底の泥を除去するしゅんせつについては、地域の合意を得ながら効果的な箇所や方法を調査・検証する-とした。
同ビジョンは2018年度を初年度とした指針で、今年度は最初の施策見直し年。継続課題を踏まえて水質向上、浮葉植物ヒシの除去量増加、利水・生態系を目的としたしゅんせつ、生態系回復-の各項目の改善を推進することを掲げた。
しゅんせつはビジョン改定に向けた昨年11月の地域懇談会でも話題に上がり、しゅんせつ中止後にヒシが繁茂し、水深も浅くなっているとして再開を求める意見が出た。一方で、過去のしゅんせつ後に貝やエビがいなくなったとの声も上がったことから地域の合意を得て効果的な方法を検討する。泥を除去して生物の生息環境改善につなげるなど生態系回復の取り組みにも位置付ける。
ヒシの除去量については、第8期諏訪湖水質保全計画(22~26年度)案と同様に「今後5年間で倍増することを目指す」とした。前回WG会議で下諏訪町から提案された赤砂崎周辺への砂浜整備が案に盛られた。
会議には県や湖周3市町、民間団体の関係者ら約30人が出席。諏訪湖の環境改善に取り組む「諏訪湖クラブ」のメンバーは「ヒシ除去のスピードが遅すぎる」と指摘した。同振興局環境課は「科学的知見を取りながら進めることが大事」とした。
同振興局によると、この日の意見などを踏まえて案を固めた上でパブリックコメント(意見公募)を実施し、3月までに決定する方針。
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