未来を見据えてザザムシの養殖にも挑戦
長野県伊那谷が誇る伝統文化の昆虫食「ザザムシ」を未来に伝える活動を展開する上伊那農業高校(南箕輪村)コミュニティデザイン科グローカルコース(GL)が、公益財団法人イオン環境財団が主催する「第7回イオン生物多様性みどり賞(国内賞)」の優秀賞を受賞した。受賞5団体の中で唯一、生徒の取り組みとして選ばれた。11日に東京の上智大学で開かれる授賞式やフォーラムには2人の生徒が出席し、活動を発表する。
GLは、上伊那地方に暮らす人たちの生活に根付く食文化として古くから伝わり、生態系にも関わる水生昆虫のザザムシに着目。地元漁師から教わるなどして漁や養殖などを手掛け、ふりかけに商品化して販売もしている。
今回の受賞では「新たな生物多様性の保全と利用を目指して活動し、継続した取り組みが期待される」と審査委員から講評された。
「ザザムシが人と自然を結び、命をいただきながら守ってきた大切な文化であることを、生徒たちが今の生活の中で見つめ直したことが評価されたのだと思う」と指導する中原美穂教諭。生徒たちは受賞を喜び、新たな励みにもなっているという。
同賞は生物多様性の保全や持続可能な利用の推進、普及や啓発などに顕著な功績があった団体や個人などを顕彰。2009年に創設し、隔年実施している。県内からの受賞はGLで2例目となった。
今回の受賞ではほかに、絶滅危惧種のサケ科の魚「イトウ」の個体群復元に取り組む北海道のグループや、森を活用して生物多様性を啓発する愛知県の企業などが選ばれた。特に傑出した取り組みに贈られるグランプリは授賞式当日に発表される。
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