移住婚希望者などの増加を受け相談員の増員を予定している駒ケ根市結婚相談所
長野県の駒ケ根市は、結婚相談事業の一環として地方移住を考える独身者をターゲットにした「移住婚」の呼び込みに乗り出している。日本婚活支援協会が提供する自治体向け婚活支援サービスに今年から参加し、市内への移住と結婚を希望する人を募ったところ、10月末時点で登録者は73人。このうち女性が75・3%を占めている。市企画振興課は「予想以上の反響」と歓迎。好調な結婚支援事業を後押しするため、相談員増員の人件費を盛り込んだ今年度一般会計補正予算案を30日開会の市議会12月定例会に提出する。
移住婚は新型コロナウイルス感染拡大をきっかけとし、移住してライフスタイルを見直したいと考える独身者をターゲットとした結婚の選択肢。日本婚活支援協会では地方の自治体向けに結婚と移住を組み合わせた支援サービスを提供している。
女性の結婚相談所登録者を増やそうと模索していた駒ケ根市。他県での実績を通じて、若い世代の女性が移住婚に関心を持っていることを知り、1月から同協会の支援サービスを活用して移住婚の受け入れ自治体をアピールしてきた。
同市での移住婚に関心を持つ登録者数は10月末時点で73人。このうち30代の女性が最多の33人、次いで20代女性が11人と若い世代の女性が6割を占めている。応募動機では「山の近く、自然が美しい所に住みたい。コロナ禍の生活を見つめ直し、都会の生活から離れたい」(同課)との声があったという。
応募者には市結婚相談所への登録も促し、昨年度末に171人(男性105、女性66)だった登録者は、10月末時点で190人(男性108、女性82)に増加した。すでに地元婚希望者のマッチングも始まっており、現在3組が交際を継続中という。
同課は「婚活だけでなく移住の思いが強い人もいる。関係人口の増加につなげることも大事。市に興味を持ってもらい移住につながるよう働き掛けていく」としている。
市は結婚相談所の相談需要増加に伴い、相談員を1人増員の2人体制とする方針。今年度一般会計補正予算案に事業費として69万4000円を計上している。
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