長野放送
長野県立こども病院は16日、心臓や大動脈に先天性の疾患を抱える乳児に、3つの高難度の手術を同時に施行し、成功したと発表しました。世界初のケースだということです。
ベビーカーで声を上げる赤ちゃん。中信地方在住の紬ちゃん10カ月です。今は元気な様子ですが、9月に世界初という心臓の難しい手術を終えたばかりです。
紬ちゃんの父親：
「病院に対しては感謝の気持ちしかない。元気で笑ってくれているので、このまま元気で過ごしてほしい」
16日、安曇野市の県立こども病院が紬ちゃんと親と共に会見を開きました。紬ちゃんは心臓の左右の心室が入れ替わる「修正大血管転位症」と、大動脈の一部が細い「大動脈弓低形成」の2つの大きな先天性疾患を抱えていました。
治すには「修正大血管転位症」には「ダブルスイッチ手術」と呼ばれる2つの手術、「大動脈弓低形成」には「自己心膜パッチ修復術」と呼ばれる手術が必要です。これまで分けて手術を行うのが一般的でした。
しかし、こども病院は紬ちゃんの成長が比較的順調だったことや医療技術の発展、手術を複数回行うことによる負担などを考慮し、同時手術を行うと判断。9月に12時間に及ぶ難しい手術を行い、無事に成功しました。世界初のケースだということです。
術後の経過も順調で、このまま成長すれば運動制限もなく過ごせる見込みだということです。
県立こども病院・竹内敬昌副院長：
「県立こども病院のすべての職種の総合的なチームがあって達成できた。今後も心臓病に限らず、重篤な病気を持ったお子さんの治療にあたっていく」
17日、退院するという紬ちゃん。病院は、今後、手術の成果を学会などに発表したいとしています。
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