再認定審査の視察先になっている中央構造線が見える崖「溝口露頭」=伊那市長谷
長野県の伊那市、下伊那郡大鹿村、飯田市にまたがる「南アルプス(中央構造線エリア)ジオパーク」の日本ジオパーク再認定審査が14日から3日間の日程で始まった。現地調査をした後、今年度中に開く日本ジオパーク委員会で再認定の可否を決定する。
審査は、日本ジオパーク委員会の委員と同委員会が委嘱した調査員の計3人で実施。14日に伊那市高遠町、15日に同市長谷、大鹿村、16日に飯田市上村などを回る。
南アは2008年、地質学的に貴重な価値を持つ地域を教育や観光資源に生かす「日本ジオパーク」として認定された。4年ごとに再認定審査を実施。前回20年の審査では、事務局体制の拡充などを要請する「条件付き認定」となり、2年後の再審査が必要になっていた。今回の審査では、20年に指摘を受けた8項目の改善状況や取り組みの進展の様子などを確認する。
再認定審査のうち、南アジオパークに関係する3市村の職員を1カ所に集めて業務に当たる事務局体制の強化については、地元の行政や観光団体でつくる協議会が「自治体の負担増につながる」として反発。今回の審査の焦点となっている。
協議会の会長を務める伊那市の白鳥孝市長は「3市村は地理的に離れた環境にあり、事務局はウェブなどを使った体制でも十分に整う。引き続き理解を求めたい」と述べた。
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