信州大学特任教授に就任し、笑顔で会見に臨む小平奈緒さん
2018年平昌冬季五輪スピードスケート女子500メートル金メダリストで、先月現役を引退した長野県茅野市出身の小平奈緒さん(36)=相沢病院=が1日、母校の信州大学特任教授に就任した。同日に松本市の同大本部で会見し、「先生としては新米なので未熟な部分は多いが、学生たちの目を見てともに学びを積み上げていけたら」と笑顔で語った。来年1月の授業で初めて教壇に立つ予定という。
大学の担当者によると、1月以降に全学部の1年生を対象としたキャリア形成や健康科学に関する授業の一部を担当してもらう見通し。小平さんに依頼した理由については「輝かしい競技歴とともに、異文化交流経験も豊富。さらには台風被害復興の社会貢献活動などたくさんの発信力を持っている。それを学生たちのために生かしていただきたい」と説明した。
会見で小平さんは「信州大で学んだ4年間は、スケートだけではない学びの世界を広げてくれるとても貴重な時間だった。(学生時代は)今の私をつくる軸になっている」と自身の経験から大学教育の重要性を強調。授業内容についてはこれから準備するとした上で、「私自身が人生の岐路に立った場面で覚悟を持って進む道を決めてきたこと、経験を通して感じてきたことを学生たちに伝えられれば」と思い描いた。
会見に同席した信州大の中村宗一郎学長は「小平さんはトップアスリートとしての多彩な知識や経験に加え、グローバル時代に必要とされる類いまれな能力を持ち合わせている」と期待。小平さんの大学在学中からコーチを務めてきた結城匡啓教授は「大学でしか学べなかったことは何かを振り返り、それがその後の飛躍にどうつながったのかを学生たちに語り掛けてほしい」とエールを送った。
小平さんは今後、県内各地の小中学校での講演や地域イベントなどに参加する予定。23日には自身の名を冠する地元のスケートリンク「NAO ice OVAL」(茅野市国際スケートセンター)のオープニングイベントにも初参加し、子どもたちと交流する。
[/MARKOVE]