「志げ子なす」を大事に栽培してきた・志げ子さん(95)(提供・喬木村産業振興課)
伝統野菜の普及です。長野県喬木村に「志げ子なす」という伝統野菜があります。そのおいしさを広めようと地元の女性3人がグループを結成。販売や情報発信に励んでいます。
【動画で見る】伝統野菜「志げ子なす」 おすすめレシピとは…
■ 違う品種と思い込んで…娘の志げ子さん(95)が大事に栽培
喬木村の農家・牧内恵さん
大きなナスを収穫しているのは、喬木村の農家・牧内恵さん(50)です。8年前から栽培しているというこちらのナスは…
農家・牧内恵さん:
「伝統野菜の『志げ子なす』です。皮も柔らかくて実もとてもジューシーでおいしい。あくもなくてすぐ調理もしやすくて」
信州の伝統野菜「志げ子なす」
志げ子なすの特徴は先端がとがっていて実が柔らかく、アクが少ないこと。
それにしても一風変わった名前。そもそも「志げ子」とは誰のことなのでしょうか。
池田栄一さん(提供写真)
昭和30年ごろ喬木村の池田栄一さんが、天龍村からナスの種を譲り受けてきました。仕事で出かけた際に食べたナスが、あまりにおいしかったからだということです。
池田さんは天龍村特産の「ていざなす」だと思い込んで育てましたが、その後、品種が違うことがわかりました。「ていざなす」はアメリカの品種を改良したいわゆる「米なす」。持ち帰ったのは、在来の「長なす」だったのです。
栄一さんの娘・志げ子さん(提供写真)
その「長なす」は栄一さんの娘・志げ子さんに受け継がれ半世紀以上、大事に栽培されてきました。その功績が認められ「志げ子なす」と名付けられ、2015年には県から「信州の伝統野菜」に認定されました。
ちなみに、志げ子さんは現在95歳。息子の善治さんによりますと「畑に出向いていたかいがあった。自分の名前が入り、恥ずかしくもうれしい」と話しているそうです。
喬木村
現在、村ではおよそ50軒の農家が栽培しています。その1軒が冒頭で紹介した牧内さんです。
牧内恵さん:
「一口食べたらとろけるような食感と甘み、うま味がすごくて、なんだこれはという感じでした。志げ子さんは漬物が上手みたいで近所の人たちにも評判で、そこから広まったのでこれは作り続けて広めなきゃいけないなとずっと作っています」
■ おいしさ伝える「志げ子なすガールズ」
志げ子なすを販売
10月17日、飯田市のコンベンションセンターの売店で志げ子なすを販売しました。
牧内恵さん:
「皮が柔らかいので種も柔らかい」
牧内さんには、同じように志げ子なすに魅了された仲間がいます。
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