長野放送
19日から1週間は、SDGs週間です。国連と国内のメディアが連携した共同キャンペーン「1.5℃の約束」もスタートしました。これは、世界の平均気温の上昇を産業革命前の1.5℃までに抑えようという取り組みです。今週は、「みんなの信州」でも温暖化防止につながるさまざまな取り組みをお伝えしていきます。初日の19日は、これまで不要と見なされてきた木に新たな命を吹き込む男性の取り組みです。
ぬくもりあふれる食器に、おしゃれなランプ。
(アナウンサー)
「こちら壺なんですが、温かみがあって、この形もすごくきれいですよね。よく見てみると、年輪の模様がはっきりと出ています。そう、こちら木で作られた作品なんです」
上田市の山奥にあるギャラリー兼工房「森のうつわ屋」。およそ70点もの木製の器や壺が並べられています。作者はフィンランドでデザインを学んだ安藤萌さん(33)です。
木工作家・安藤萌さん:
「以前から木が好きだった、小学生ぐらいの頃から。基本的に木を使ったものづくりは、伐採された丸太を板に製材し作るが、その辺にあるような丸太で木工ができないかと思って」
材料はカエデやシラカバ、リンゴなど。切り倒されて放置されていたり、知り合いの木こりから不要なものを譲ってもらったりしています。
木工作家・安藤萌さん:
「たとえば、枝分かれしていたり、ぼこぼこしていたりする部分は、まきにできないことはないが、おのでなかなか割れない。削ってみるときれいな木目が出る。そういうところをあえて使うように」
こちらは軽井沢にあったケヤキの木。ある程度の大きさにチェーンソーでカットします。
木工作家・安藤萌さん:
「今からこれを削って、薄くお皿にしていこうと」
別の機械で薄く削っていきます。このあと、成形して乾燥・塗装を施せば、完成です。制作の過程で出た木くずは庭で肥料にし、野菜作りに生かしています。
木工作家・安藤萌さん:
「木くずで肥料を作って野菜を育てて、また器で自分で食べる。そういう無理のないような暮らしをしたい」
ことさら意識している訳ではないそうですが、SDGsの考えを創作や生活に取り入れている安藤さん。「木と人は似ている」と話します。
木工作家・安藤萌さん:
「何に対しても完璧なものはない。人もそれぞれ違って、木も1個1個違うので、型はない。そういうことを忘れないで作る、そこが大事」
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