長野放送
老舗の味が給食に登場です。長野県下諏訪町の和菓子店が創業150年を迎えるのを前に、「地元に恩返しを」と小中学校に看板商品の「塩羊羹」を提供しました。
下諏訪南小学校の給食の時間。おかずと共に皿に置かれた四角い食べ物は「塩羊羹」です。
児童のデザートにしては「渋い選択」です。
実は、地元の和菓子店「新鶴本店」が、来年で創業150年を迎えるにあたり、地元に恩返しをしたいと町内の小中学校4校におよそ1400人分の塩羊羹を無償提供したのです。
創業は明治6年。諏訪大社・下社に近く、参拝者や地元の人に愛されてきました。
変わらぬ製法の看板商品「塩羊羹」。もっちりとした独特の食感をつくり出しているのは特産の寒天です。
銅製の鍋で砂糖と塩を煮込み、小豆の粉末と練り合わせます。かまどにくべるのは強い火力が保てるナラのまき。
手間暇かけて作られる塩羊羹は多くのファンを持つ逸品です。
新鶴本店6代目・河西正憲専務:
「地元の方に愛されて150年を迎えることができるので、そこに対する『感謝の気持ち』」
「いただきます」
150年分の感謝を込めて提供された塩羊羹。待ちきれず、おかずを食べ終える前にほおばる子もいました。
4年生:
「おいしいです!羊羹独自の味がして、塩もちょっと感じられておいしいです」
「やみつきになります。しょっぱくておいしい」
初めて食べる児童も多く、じっくり味わっていました。
新鶴本店6代目・河西正憲専務:
「地元・下諏訪町の将来を担う子どもさんたちに何か思い出だったりとか、寒天文化というものが諏訪にあるよということを知ってもらう機会になればうれしい」
地元を代表する伝統の味。貴重な「食育」の時間になりました。
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