グループに分かれて調査対象の気候変動による影響を予測する辰野高の1年生
辰野高校(長野県辰野町)の地域探究コース1年生40人が取り組む「地場産業への気候変動影響調査プロジェクト」のキックオフミーティングが30日、同校で開かれた。県環境部環境政策課と県環境保全研究所で組織する信州気候変動適応センターが推進するプロジェクトに参画し、生徒が町内企業を対象に気候変動が与える地場産業への影響や取り組みを調査する。
同プロジェクトは、気候変動について調査、研究を行う同センターが県内の大学や高校に参加を呼び掛けて実施。大学は信州大学など2校、高校は辰野高校や東海大諏訪高校(茅野市)など5校が参画し、学校ごとの調査を経て、10月29日にリモートによる報告会が行われる予定。
辰野高は事前学習を経てキックオフミーティングを開いた。気象予報士で名古屋大学特任教授の杉山範子さんが講師を務め、調査のポイントなどを説明。「気候変動対策には緩和と適応がある」とし、「地元の知恵を集めてほしい」と呼び掛けた。
後半は、事前に選定した9カ所の調査対象ごとに分かれてグループワークを実施。調査対象はリンゴや米、花を栽培する法人(個人)、養蜂やマツタケ栽培に取り組む農家、酒造会社など。各班は、調査対象が気候変動でどのような影響を受けているかを予測し、調査で何を聞くべきかを検討した。
辰野高プロジェクトリーダーの生徒(15)は「各事業所でどのような対策が取られているか興味がある」、別の生徒(15)は「最近雨量が増え、気温も高くなっている気がする。どんな対策が必要か考える機会にしたい」と話していた。
同センターでプロジェクト責任者を務める県環境保全研究所主任研究員の浜田崇さんは「地場産業への影響調査は初めて。生徒や学生が実体験として気候変動を身近に感じてほしい」と期待した。
生徒たちは9月13日に調査対象の事業所を訪問して取材を行い、調査結果を映像などでまとめる予定。
辰野高の取り組みは来年公開予定の地球温暖化対策啓発ドキュメンタリー映画「Wende(ヴェンデ)2」で取り上げられる予定で、ヴェンデ製作員会スタッフが生徒の活動を取材している。
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