論語を声に出して読む児童ら
長野県伊那市高遠町にある旧高遠藩の藩校「進徳館」で27日、夏休み中の小学生を対象とした「進徳館夏の学校」(同市高遠町公民館主催)が始まった。高遠、高遠北小学校1~6年生83人が、休日を除く8月1日までの4日間通う。論語の素読や自学、お話の時間などを通して仲間と勉強し、高遠の歴史文化に親しんでいく。
実学を重んじた旧高遠藩校の精神を引き継ぎ、郷土愛を育む目的で開き、今年で14年目。高遠高校の生徒8人がボランティアとして児童の学習支援を行っている。
論語の素読では、事前に論語の中から30の言葉を抜粋して作成したテキストを使用。論語の言葉は読者によってさまざまな解釈ができるため、解説は行わず、4日間かけて繰り返し声に出して読んでいく。矢澤淳館長は「子曰わく、過ちて改めざる、是れを過ちと謂う」などと文節ごとに区切って読み上げると、児童が後に続いて声に出した。
矢澤館長は「最初は意味が分からないと思うが、自分で解釈することが大切。自分なりに思ったものを感じてほしい」と話した。
1年生のときから参加している高遠小4年の児童(9)は「今年は三つぐらい覚えたい」。高遠北小5年の児童(11)は「難しいけれど、言葉の意味が分かるようにしたい」と話した。
お話の時間では、同高の生徒2人が取り組んでいる地域学習の成果を発表。同高が地域づくりの中核校としての学びの創造を目指す「高遠学園構想」の一環で行った。
この日、市内6公民館でも小学生を対象とした学習支援講座が行われた。
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