出征した兵士や家族の写真、当時の軍服などが並ぶ展示会場
長野県伊那市の高遠町歴史博物館は、戦時中の家族写真などをを集めた特別展「出征兵士と家族の肖像展」を同館で開いている。市民から寄せられた写真をはじめ、軍服や新聞記事を65点余り展示。戦地へ赴く兵士や見送る家族らの姿を切り取った一枚から、戦争が日常だった時代の現実を伝えている。8月21日まで。
「出征兵士と家族の肖像展」は、2015年の特別展「戦争の残影」で戦時下の家族写真の提供を受けたことなどを機に終戦記念日を迎える時期に合わせて企画している。今年で7回目になる。
展示会場の壁にはモノクロの写真が何枚も並び、提供した家族の言葉がつづられている。集合写真には「全員で撮る最後の写真と思い、精いっぱい正装して撮ったと思います」と添えられていて、悲壮な覚悟でレンズの前に並んだ様子がうかがえる。このほか新たな試みとして、南箕輪村郷土館から軍服やサーベル、赤紙(招集令状)などを借り受けて展示した。
有賀克明館長は「(展示は)戦争の風化を防ぎ、自分事としてとらえるため必要。戦争の不条理を知って、防ぐためには何が大切か考えてみてほしい」と話している。
入館料は一般400円、18歳未満は無料。観覧は午前9時~午後5時(最終入館は同4時30分)。7月19日と25日以降の月曜日は休館。問い合わせは同館(電話0265・94・4444)へ。
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