神職の手によって運び出されるみこし。新築した西宝殿へ御霊代が移された(代表撮影)
長野県諏訪市神宮寺の諏訪大社上社本宮で15日、式年造営御柱大祭(御柱祭)を締めくくる宝殿遷座祭が行われた。御柱祭では御柱の曳き建てとともに、宝殿を建て替える「造営」が重要な祭儀で、新築された西宝殿へ、東宝殿から御霊代が移された。厳かに行われる遷座の様子を氏子や参拝者が静かに見守った。
四脚門の両側にある東西の宝殿は御柱祭に合わせて、7年目ごと交互に建て替えをしている。今回は西宝殿の番で、地元の笠原工務所が施工し、今月8日に竣工祭を迎えた。かやぶきの宝殿は木造平屋建てで、広さは約30平方メートル。池田木材(木曽郡上松町)が奉納した樹齢350年の天然木のヒノキをはじめ、人工林のヒノキやサワラが用いられた。
遷座祭には神職や大総代ら約70人が参列。北島和孝宮司が遷座の祝詞を上げ、前回(2016年)建設された東宝殿から西宝殿へ神職が鏡や弓、薙鎌などの神宝を恭しく運び込んだ。最後に、錦に包まれた大きなみこしを運び、御霊代を遷座し、宮司と大総代の代表が玉串をささげた。
大総代会の小池沖麿議長(68)は「御柱祭が動なら、遷座祭は静であり、心が洗われるようだった。6年後にはマスクのない、みんな笑顔ですべての行事ができればと思った」と話していた。
今後、御柱祭の終了を神前に奉告する終了奉告祭が上社本宮と下社秋宮でそれぞれ行われ、今回の御柱祭にかかわる行事を終える。
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