自転車同士の接触事故で負傷した選手役をオートバイで現場に駆け付け救護訓練する医療関係者＝茅野自動車学校
長野県諏訪地方6市町村を巡るスワコエイトピークスミドルトライアスロン大会（6月25日）に向け、救護、救助を担う医療関係者やライフセーバーらの事前研修・訓練が29日、下諏訪町の諏訪湖や茅野市の自動車学校であった。選手の安全を守ろうと、参加者が本番さながらの真剣な表情で訓練に臨んだ。
茅野市宮川の茅野自動車学校では、自転車同士の接触で選手が転倒し、大けがを負った想定で行い、医師や看護師らがオートバイで現場に急行して対応する救護訓練を行った。
県警本部交通機動隊諏訪分駐隊（同市宮川）の丸田伸哉分隊長を講師に招いて安全運転の基本を確認し、訓練に臨んだ。参加した医療関係者は周囲の安全に気を配りながら、事故現場に到着し、けがの状況を確認。救急搬送を要請しながら負傷者の状況を本部の医師に伝えた。要請に基づいて到着した救急隊とともに負傷者役を搬送した。
丸田分隊長は「負傷者の一刻も早い処置をとの思いから、気が焦ってしまうかもしれないが、まずは自らの安全を第一に気持ちを落ち着かせて事故現場に向かってほしい」とアドバイス。参加した後藤敏医師は「まずは安全運転で現場に向かう。その上で適切な救護を行う。本番前にいい訓練ができた」と振り返っていた。
スイムコースとなる下諏訪町の下諏訪ローイングパーク前の諏訪湖では、水中でのけがや急病に備えた救助連携訓練を実施。大会当日に救助事案が発生した際は、岸までライフセーバーが搬送してきた要救助者を、上陸補助要員の審判団が救護テントまで運ぶため、参加者は繰り返し搬送練習に取り組んだ。
訓練はさまざまな症状の要救助者を想定して行った。動けなくなった要救助者は数人で水中から引き上げ、担架に乗せて搬送。参加者は講師のライフセーバーから要救助者の体の起こし方や導線の確保などについて助言を受けながら、素早く安全に搬送できるよう何度も動作を確認した。
審判の笠原裕矢さん（43）は「お互いに要救助者役もやり、細かい課題などにも気付くことができた」と振り返った。
大会運営事務局本部の小島拓也事務局長（50）は「本番までに不安要素を一つずつ解消していき、無事に大会が終われるようにしたい」と話した。
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