長野県の新たな地鶏「長交鶏3号」
長野県畜産試験場が「しなの鶏」「信州黄金シャモ」に続く地鶏を開発し、2021年から商品が出回っています。「第3弾」はジューシーな肉とコスト削減を目指していて、試験場も生産者も期待を寄せています。
から揚げ
カラっと揚がった「鳥のから揚げ」。ジューシーさは画面からも伝わってきます。実はこちら、長野県で新たに開発された期待の「地鶏」のから揚げです。
1997年に誕生した「しなの鶏」。2005年登場の「信州黄金シャモ」。どちらも信州が誇る地鶏です。
信州黄金シャモ
地鶏とは「在来種の血液が半分以上」「ふ化から75日以上飼育」などの基準を満たしたものを指し、深い味わいと豊かな食感が特徴です。
特に「信州黄金シャモ」は食味や歯ごたえが良く、2015年の地鶏のコンテストで最優秀賞を獲得。高い評価を得ています。
長交鶏3号
これに続いて開発されたのが「長交鶏3号」です。長野県畜産試験場が4年の歳月をかけて開発し、2020年3月に登録された品種です。
長野県畜産試験場・神田章場長：
「信州黄金シャモは地鶏の中でもトップの全国で1位をとった地鶏。この『セカンドブランド』として開発したのが長交鶏3号」
「長交鶏3号」はシャモとブロイラーの交雑種に、名古屋コーチンを掛け合わせた品種。地鶏率は75%で、しなの鶏と信州黄金シャモの中間に当たります。重視したのは肉質です。
NBS長野放送
長野県畜産試験場・神田章場長：
「できるだけジューシーで、脂肪分が多い名古屋を母鶏にしたいと思い、親鶏の最高の組み合わせを見つけるのに苦労した。肉自体は信州黄金シャモに比べて柔らかみがあり、脂肪分が信州黄金シャモより多いからジューシーさを感じる」
信州黄金シャモより柔らかくてジューシー。さらに信州黄金シャモの場合、出荷までの飼育期間が120日前後要するのに対し、長交鶏3号は100日前後。短縮した分、価格は抑えられる見込みです。肉質とコストのバランスの取れた品種と言えます。
蓼科縄文農園（長野県茅野市）
2022年5月現在、県内で「長交鶏3号」を扱っている養鶏家は4軒。その1軒が茅野市の前野正幸さんが営む「蓼科縄文農園」です。
蓼科縄文農園・前野正幸さん：
「県と試験的につくってみて、さばいて味を見て、これなら大丈夫だなと。私は去年から長交鶏3号に切り替えている。定着するには2、3年はかかると思う」
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