トレインギャラリーNAGANOに展示されていた「赤ガエル」
「赤ガエル」の愛称で親しまれた長野電鉄の車両。引退後、長野県須坂市の施設で展示されていましたが、横浜市の製造元で保存されることになり、数日間かけて66年ぶりに帰郷しました。深夜の大移動を取材しました。
「赤ガエル」車両が移動開始(5月24日)
丸みを帯びた車体。赤とクリームのツートンカラー。かつて「赤ガエル」の愛称で親しまれた長野電鉄の車両です。
24日夜、トレーラーに積まれ移動を始めました。展示されていた須坂市から横浜市へ。製造元で保存されることになったのです。
深夜の大移動が始まりました。
東急電鉄・旧5000系(愛称「青ガエル」)
こちらが元の姿。1956年に製造されたグリーンの東急電鉄・旧5000系です。形と色から付いた愛称は「青ガエル」。
1980年に長野電鉄に引き取られると車体は塗り替えられて「赤ガエル」に。1997年まで市民の足として活躍しました。
長野電鉄で運行していた頃
引退後、信濃川田駅から須坂市へ運ばれることに。25年前も深夜の移動…。
慎重に運ぶ…。
運び込まれたのは、1997年にオープンした鉄道模型博物館「トレインギャラリーNAGANO」。
施設の目玉として展示されることになったのです。
館長は鉄道ファンの深沢慶一さん。
深沢慶一さん(当時):
「正面から見たのが、カエルに似たような愛嬌のある顔をしている。マニアにとっては愛らしい電車」
大きなジオラマの中を走る鉄道模型。トレインギャラリーは深沢さんがコツコツ集めた4000両の模型を展示し、子どもたちや鉄道ファンを楽しませてきました。
2021年 トレインギャラリーNAGANOが閉館
しかし、機械の老朽化が進み、毎日整備する自身の体への負担を考え深沢さんは2021年、ギャラリーを閉めました。
閉館に伴い、赤ガエルも解体が検討されましたが…
製造元の現・総合車両製作所が1両、引き取ることに。
移動作業の準備
丸みを帯びた車体、実は航空機の技術が生かされていて、「軽量化の先駆けとなった大切な遺産」として保存されることになったのです。
別れを惜しむ鉄道ファンも…
鉄道ファン:
「この色もこの色で歴史の一つなので、ちょっと悲しさもある」
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