「老犬ホーム」が犬を愛する人の支えに…
長野・安曇野市にオープンした「老犬ホーム」。ペットの長寿化で需要が増える一方、長野県内ではまだ珍しい存在です。愛犬の幸せな一生を願う、家族の大きな支えとなりそうです。
■介護が必要になった犬を預かる「老犬ホーム」
ドッグステイハウスDog’s(長野県安曇野市)
4月、安曇野市にオープンしたばかりの「ドッグステイハウスDog’s」。
「ナナちゃん、こんにちは、はじめまして」
大型連休2日目の早朝、やってきたのは13歳の「ナナ」。飼い主が家を空ける間、この施設で過ごします。
ショートステイで預けられた「ナナ」
愛犬を預けた家族:
「(県外にいる)息子たちのところに行く。3日に帰ってくるので3泊4日(の利用)」
しばしのお別れ。
ドッグステイハウス・宮脇史オーナー
見送る「ナナ」に、施設のオーナー・宮脇さんが寄り添います。
「ナナ」のケースは外出に伴うショートステイですが、施設設立の一番の目的は介護が必要になった犬を預かる、「老犬ホーム」の役割を果たすことにあります。
犬舎
プレハブの犬舎には、大型犬もゆったり過ごせるケージが4つ。防音の壁と冷暖房を備え、24時間、様子を確認できるモニターも付いています。長期の預かりも受け入れ「看取り」まで行います。犬との面会は自由です。
全国の老犬老猫ホームの登録・届出数
全国にある「老犬ホーム」は2021年4月の時点で205施設。ペットの長寿化で重要が高まり、この10年ほどで急速に数を増やしています。
宮脇さんは2021年、30年近く続けた教員を退職して施設を開きました。捨てられたり、飼えなくなったりした保護犬たちの世話をするボランティアを経験したのがきっかけでした。
■自身の体験がきっかけ
ドッグステイハウス・宮脇史オーナー
ドッグステイハウス・宮脇史オーナー:
「捨てられて、保護施設に来る犬が多かった。捨てられた理由も『もう、お世話ができなくなってしまった』。介護が必要な愛犬を手放す飼い主さんが多いことも悲しかった」
老衰や病気を抱え、保健所などの冷たいケージで最期を迎える犬たち。宮脇さんは心を痛める一方、介護などで追い詰められていく飼い主にも思いをはせます。
宮脇さんの愛犬「茶々」
宮脇さんの愛犬は秋田犬の「茶々」と「寧々」。忙しい生活に大きな癒しを与えてくれますが、仕事などに追われ余裕がなくなると、しっかり世話ができず悩むこともありました。
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