御幣を持った子どもが先頭に乗り、八立神社に向かう前回の本宮一之御柱
2016年の諏訪大社御柱祭で建てた御柱を横たえる「御柱休め」は23日、長野県諏訪市の諏訪大社上社本宮であり、同市中金子にある八立神社の氏子約90人が参加した。本宮一と本宮二を横たえ、同神社まで厳かに曳行した。これにより本宮と前宮の御柱8本の御柱休めが無事終了。新しい御柱を建てる「建て御柱」は各地区の奉仕により、5月5日に行われる。
新型コロナウイルスの対応などから3日間の日程で行い、16日に前宮の4本、17日に本宮三と本宮四を横たえた。最終日は神事に続いて本宮二、本宮一の順に作業し、本宮一は根元を2メートルほどバックホーで掘り、クレーンを使ってゆっくりと傾かせた。御柱に感謝をささげる横断幕を掲げ、参拝客が見守る中で静かに作業を進めていた。
本宮一と本宮二は、それぞれ先頭部分を地車(台車)に載せ、「社の御柱お休みだ」の木やりを受けて出発。マスク姿の氏子たちは「よいさ、よいさ」と力を合わせて曳行し、約4時間で八立神社に曳き着けた。
御柱を元の普通の木に戻す「御柱休めの儀」は6月19日に同神社で行われる。ここまでが「古御柱祭」と呼ばれ、中金子の氏子によって438年間受け継いでいる。
古御柱祭祭典委員会の岩波正幸委員長(72)は「新型コロナの影響で区民参加の形態ではできなかったが、無事に御柱8本のお休めができて安堵している。伝統の奉仕を後世につなげていきたい」と話していた。
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