長野県伊那市高遠の名物「亀まんじゅう」
老舗の味です。長野県伊那市高遠と言えば、言わずと知れた桜の名所。その花見客に長く愛されてきた和菓子があります。その名は「亀まんじゅう」。およそ150年続く人気の秘密と味を守る家族に迫りました。
高遠城址公園の「天下第一の桜」(長野県伊那市)
「天下第一の桜」。高遠には、今年も多くの人が訪れています。この時期、花見客に人気の和菓子があります。
亀まんじゅう
かわいらしいカメの焼き印が押された「亀まんじゅう」です。
老舗 亀まん(伊那市)
作っているのは、その名も「老舗 亀まん」。この時期、店は忙しい日々が続きます。
老舗 亀まん5代目・平沢源司さん
老舗 亀まん5代目・平沢源司さん:
「常に同じ味を作らなければいけないというのがすごく難しくて、皮ひとつでも季節とか温度とか時期によって配合が違ってくる。昔からファンでいてくれる方はすごく多いので、そういう人たちのために味は変えられない」
亀まんじゅう
およそ10分ふかしてから、一つ一つに焼き印を押せばできあがりです。ふっくらとした皮にしっとり甘すぎないあんこがくるまれています。
近くの旅館から:
「あんこに風味があるんですよ。おまんじゅうが柔らかいので(宿泊客の)皆さんに好評で」
花見帰りの客:
「おいしいんですよね、やわらかくて、昔からの味。お花見に来たら、亀まんでまんじゅう買って帰る。決まってるコース」
創業は明治8(1875)年。実は意外なルーツが…
老舗 亀まん5代目・平沢源司さん:
「『亀の湯』っていうお風呂屋さんだったんですけど、初代の主人が趣味でおまんじゅうを作ってお客さんにふるまっていたところ『うまいから、まんじゅう屋をやればいいじゃないか』と言われたらしくて」
2代目・誠一さん(提供写真)
2代目になってから銭湯をやめ、亀まんじゅう一本に。戦時中は営業できませんでしたが、戦後、3代目が店を再開。現在の場所に店を構え、桜の名所の「土産品」として定着しました。
今は優司さん(62)・智美さん(62)の4代目夫婦と、源司さん(36)・里圭さん(29)の5代目夫婦が切り盛りしています。
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